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SEdePASSIVEとは

2020年の住宅の省エネ基準義務化に向けて勉強をしているうちに、パッシブデザインと出会いました。私たちが目指すパッシブデザインとは、省エネ基準の約1.7倍程度以上の断熱性能をクリアしながら、太陽や風などの自然エネルギーの活用と調節によって住まう家の室温を夏は涼しく、冬は暖かく快適に、そして少ないエネルギーでそれを実現しようというものです。

パッシブデザインを用いて快適な室温を少ないエネルギーで実現するためにはどうしたらよいかを勉強し、計算やシミュレーションを繰り返すうちにわかってきたのが、「南の窓は大開口にして、冬の太陽熱を家の中に入れた方が、快適で省エネになる」さらに、「1階の南の窓をいくら大きくしても、隣家からの日影によってその窓から太陽の陽射しが家の中に入ってこないなら、大きくしても意味がない。それなら、吹抜けを作って2階の窓から太陽の陽射しを1階に落とし込んだ方が、空間は大きくなっても快適で省エネになる(断熱の向上が大前提ですが)。」という事です。


15℃を下回ってくると健康に異常をきたす可能性が出てくると言われています。ですので、Q値を1.9W/㎡Kに設定し、最低室温(居室の早朝の室温)を15℃以上になるように計画し、設計を行っています。


環境省が提案しているWBGT(湿球黒温度)を指標にした体感温度によれば、28℃を超えると熱中症の厳重警戒すべきとあり、それを室温で計算すると32℃になるそうです。ですから、夏の室温32℃以下になることを目標に、最高でも35℃以下になるように設計をしています。

「南の窓をできるだけ大きく」「場合によっては横長の吹抜けも必要」という事になり、設計をしているうちにネックになったのが、木造住宅での耐震性です。従来の在来木造住宅と呼ばれる構法では耐力壁が足らずに、思うような設計ができなくなってきました。そこで出会ったのが耐震木造住宅SE構法です。

この構造によってかなり自由度が高まりました。しかしながらコストも上がってしまいました。「耐震性と快適&実現を、このSE構法とパッシブデザインの両方で実現させながらコストダウンはできないものか?」同じ考えを持った全国の住宅会社の仲間との勉強会でそんな話題が出たのがこの「SE de PASSIVE」です。

建物の大枠の大きさやカタチと柱や壁など部材の高さや厚みや配置を決めつつも、ほぼほぼ自由な間取りが実現できるように、耐震等級3を確保しつつも極力耐力壁を減らし、且つ吹抜けを多くしています。そして、許容応力度等計算という繰り返し地震も想定した構造計算を事前に行い、最高の性能を最良の価格で提案できるようになりました。

「SE de PASSIVE」の商品開発には、当初全国6社の住宅会社の代表者又は設計者に加えて、SE構法の開発元である、NCNも当初からミーティングに参加頂き、建築デザイナーがプランを考えながら、その場で、構造設計士がプランの自由性と耐震性の確保をするかを同時進行で考えるという画期的な手法で商品開発を行いました。「ここには壁を入れたくない」「じゃあこちらでどうですか?」「梁桁の高さは一緒にしましょう」「階高はこれで」など、均一化し標準化するものと、自由に変更できるもののバランスを取りながら、最良のファーストプランが実現しました。なんと言っても、カッコいい! そして性能も確保! ファーストプランに続き、さらにバリエーションを増やしながら、全国の工務店仲間とスキルアップしながら商品開発をしていきたいと思います。